11/2(水)のまちの保健室

 「自分を受け入れることが出来たら、とても楽に生きられるようになった」
 今日のまちの保健室で出た話の中のひとつです。「私はここに居ていいんだ」「気にし過ぎてたのかも」「悪気がある訳ではないんだ」
こう思えるようになったら、気が楽になった…、と言うお話しです。

 

「自己を肯定(認める)する感覚」のことを、自己肯定感と言います。自己肯定感の高い人は、「自分は素晴らしい存在だ」とか「自分には価値がある」と感じる心のベースがある人です。

 

 生きて行くには、「自分はこの世に存在していてOKなんだ」という感覚がまず最初に無いと、人の目を気にしたり、自分を出すことが苦手になり、次第に「この世にいなくていい存在」「いちゃいけない存在」「ダメな人間だ」と自分で自分を攻撃し責めて、どんなことにも自信を持つことができず、いつも不安な気持ちで生活を送ることになります。そのような方々の多くは、素の自分を出すことができないので、プライドや正義という仮面やマントを常備することで、自分自身との心のバランスを保とうとします。こうした状態で頑張って生きていくことが出来たとしても、生き辛さを抱えながらの人生を過ごすことになります。自己肯定感をきちんと持っているかいないかで、行動や言動、考え方や捉え方が違ってきて、生き方や人生も変わってくるのです。

 

 先月の企業研修、研修が終わり懇親会での出来事です。ノートの取り方もきれいで、イラストを描くことが得意という新卒の女性社員がいました。きっと、普段からきちんとされていて、職場でもみなさんそのことに気づかれていたのだと思います。研修も終わり、懇親会という交流を深める時間だったこともあり、「才能があるよ~」「スゴイと思ってたよ~」「そうそう、とてもまとめ方が上手だと思ってたんだよ~」などなど、一斉に、その女性社員の大絶賛大会となったのです。


 次の瞬間、その女性社員はカバンからハンカチを取り出し涙を流し始めたのです。


 私は、すぐに気づきました。そして、こう話しかけました。「○○さん、嬉しいですよね!」


 女性社員は、言葉にならず、涙を流しながら、ただただ頷くばかりでした。

 

 そうなのです。この女性社員は、褒められることに慣れていなかったのです。言い換えれば、自己肯定感をあまり持っていなかったのです。「こんなノートの取り方でOKなの?」「こんなイラストでOKなの?」「こんな私でOKなの?」


「認められること」「認められたこと」の嬉しさにカラダに反応して、ネガティブな感情が、涙と一緒に浄化されました。そして、仮面やマントも少しづつ外していけるきっかけになりました。「ありのままの自分」で居られるきっかけです。良い子でいなければならない…、これが、彼女を苦しめていたのです。

 

 ここの企業様の社員研修は、5ヶ月という期間で行っているので、人の成長が見えてきます。単発の講演研修も良いですが、やはり継続して心を育む研修は、最終的に企業の利益にも繋がってきますので、私もやりがいを感じて望んでいます。このような社員教育にかかる教育予算は、経営資源の「ヒト」への先行投資という考えだと私は企業様にお話ししています。

 

 自分への先行投資、それは「まちの保健室」に足を運ぶことなのかも知れません。自分という幹(資源)を「ありのままの自分」でいられるようになるきっかけになれば、この女性社員のように、成長する速度が加速していくかも知れません。

 

 「ネバネバしたもの」はカラダに良いと聞きますが、「ネバならない」はカラダに心に良くないのでよ~。

 

 自分を受け入れることは、かんたんにできることではないと思います。ひとりでしようとは思わず、「まちの保健室」に参加されるみなさんと一緒に少しづつで良いから、継続してプラスのシャワーを浴びにきて下さい。

 

 次回は、11月15日(火)10時スタートです。お待ちしてますね~♪